【手品歴10年が厳選】マジックにおすすめのトランプ4選

「新しい趣味としてカードマジックを始めたい」

という君へ。手品を趣味にして10年、数々のトランプに触れた私が胸を張っておすすめするトランプを紹介する。

本当に最初の最初のステップにおいては、家にあるトランプを使えば良い。しかし、もし少しでもカードマジックに本気に向き合うつもりなら、マジックに適したトランプの購入をおすすめしたい。

実は、マジックに適したトランプはかなり種類がある。実際に「手品 おすすめ トランプ」で検索すると「おすすめのトランプ20選!」のような記事が出てくる。

選択肢が多すぎやしないか?と私は思う。だからこそ、この記事では4つのトランプに厳選している。それぞれの特徴・使い分けのヒントなどをまとめているので参考にしてほしい。

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マジックに適したトランプの選び方

そもそも、なぜ20近くもトランプの種類があるのか。実は大きさ・材質・裏面デザインの点で選択肢が分岐するのだ。そしてこの違いがマジックにも大きな影響を及ぼすので、まずはそれぞれの特徴を整理しておこう。

サイズ選び(ポーカーサイズ vs ブリッジサイズ)

ポーカーサイズ(右)とブリッジサイズ(左)の比較
左(青)がブリッジサイズ、右(赤)がポーカーサイズ。

私が手品を始めて驚いたことなのだが、トランプの大きさには2種類あるのだ。

まずは「ポーカーサイズ」。標準的な寸法は約63mm×約89mmで、幅広であるが一般的なトランプだ。マジックパフォーマンスでは最も多く使用されている。手の大きな大人にとっては最適だろう。

もう一つは「ブリッジサイズ」。幅が細く、手の小さな人や繊細な手先の技を必要とするマジシャンに向いている。縦の長さはポーカーサイズと同様である。カードの操作性が高く、クロースアップマジックやカードマニピュレーションに適していると言えるだろう。

ポーカーサイズの上にブリッジサイズを重ねた様子
重ねてみると、幅が違うことがわかる。

私はできるだけポーカーサイズのトランプをおすすめする。理由は次の2つだ。

  • ポーカーサイズがメジャーである(=店頭入手しやすい)
  • トリックカードのサイズがポーカーサイズの場合が多い

ネット販売においてそこまで差異は感じないが、店頭ではそもそもブリッジサイズが置いていない or 置いていてもポーカーサイズより値段が高いということが経験上多かった。

また、本格的にカードマジックをするようになった際に「トリックカード(予め仕掛けがあるトランプ)」を使う場面が出てくる。このサイズがポーカーサイズの場合が多いのだ。特定の手品をするときだけトランプのサイズが変わるのは怪しさ満点だろう。

つまり、将来性を考えるとポーカーサイズで慣れておいたほうが良いのだ。

材質の特徴(紙製 vs プラスチック)

トランプの材質も2種類の選択肢がある。紙製かプラスチック製だ。

トランプをスプレッドしている様子
スプレッドの様子

紙製トランプは物理的にもパフォーマンス的にも柔軟性が高い。カードを曲げたり破ったり燃やしたり…あらゆる手品に対応できる。スプレッド(机上に横一列でトランプを素早く並べる技法)が美しくできるのも魅力的だ。しかし、手汗や垢を良く吸収してしまうので消耗しやすいというデメリットがある。

一方、プラスチック製トランプは耐久性に優れ、長期間使用しても変形しにくい。初心者がリフルシャッフル(二組に分けた山札を交互に弾いて混ぜるシャッフル)を練習するにはちょうど良いだろう。しかし、紙製と比べるとマジック用にはあまり向いていないように思う。スプレッドが美しくできなかったり曲げたりできないという特徴は、正直マジックをする身として致命的だ。

ここでは、トランプで遊ぶならプラスチック製、トランプでマジックをするなら紙製を選ぶと覚えておいてほしい。

デザインのポイント(裏面の対称性、縁の有無)

実はトランプの裏面のデザインも重要なのである。チェック項目は2つ。

  • 裏面のデザインは上下左右対称か
  • 裏面のデザインに縁(ふち)があるか
縁のあるカードとないカード
左が縁無しのカード、右が縁アリのカード。

裏面が完全に上下左右対称のデザインは、カードの向きを観客に気づかれにくくする利点がある。これにより、カードを裏返す際や特殊な技を使う際に、観客の目を欺いてマジックの興奮を高めることができる。

縁無しカードのスプレッド
縁無しカードのスプレッド。カードの境目がわかりにくい。

縁の有無も重要で、裏面に白い縁のあるデザインは特定のマジックをする上で大切な役割を果たす。ここでは詳しく言えないが、その「特定のマジック」の動画をするときに解説すると思う。一方、縁のないデザインも特定の技法を使うマジックでは有り難い性能を持っている。こちらも時が来たら解説しよう。

ここでは、裏面デザインは上下左右対称であるトランプを選ぶということを覚えておくこと。縁の有無については演じたいマジックによって使い分けると良いだろう。ただ、普段マジックをする分には「縁アリ」を選んでおいて良いと考えている。

【厳選】おすすめのトランプ4選

ではここから、具体的にトランプの紹介をしていく。ここでの特徴・評価(特に質感)はあくまで一個人の感想であることは強調しておく。

君のトランプ探しの参考になれば幸いだ。

選ばれる理由がある【バイスクル(BICYCLE)】

バイスクルのトランプ
JOKERは自転車に乗った王様のデザイン。
価格
 (3)
 (4)
入手難易度
 (5)
応用性
 (5)
総合評価
 (4.5)

テレビ番組で出てくるトランプは大体コレだ。まさに王道。迷ったらこれで良い。

価格は「紙のトランプにしては高いな」という評価であり、一般的な趣味グッズとしてはかなり安い方だろう。1,000円もしないのだから。

紙製とはいえしっかりとコシがある材質で、ある程度曲げたとしても反対方向に曲げ直せば元通りになる。これが「トランプにしては高価」な理由だ。上質なのである。

雑貨屋さんに行けば大抵見つかる。デパートのおもちゃ売り場、アートマン、Loft、東急ハンズなどで簡単に入手できる。もちろんネットで購入しても良い。

また、裏面がバイスクル(BICYCLE)デザインのトリックカードが豊富にあるので手品の幅が広がる。そりゃあ多くのマジシャンがこのトランプを選ぶわけだ。

個人的な総合評価4.5でトップだ。

愛用者が多い【タリホー(TALLY-HO)】

タリホーのトランプ
個人的に「♤A」のデザインが好みだ。
価格
 (3)
 (4)
入手難易度
 (4)
応用性
 (4)
総合評価
 (4)

バイスクル(BICYCLE)に次いでユーザーが多いのがこちらの「タリホー(TALLY-HO)」だ。ちなみに「タリホー」とは狩りをするときの掛け声のようで、このトランプのJOKERは投げ縄をしている。

質の高さはバイスクルに劣らない。私は若干バイスクルよりもコシが柔らかいと感じ、こちらが好みだ。本当に些細な違いであるのでそこまで気にしなくて良い。また、バイスクルよりも「A」や「JOKER」のデザインが好みだという理由でこちらを選んでいるマジシャンも居た。

店頭での入手難易度はバイスクルよりも高い(=あまり置いていない)。購入するならネットが便利だ。トリックカードがあるにはあるが、バイスクルほど容易に入手できず、種類も多くないと感じる。手品の幅で言えばバイスクルに軍配が上がるだろう。

「みんなバイスクル使っているから、差別化のためにタリホー使おうかな」という者も珍しくない。何なら私もその気持ちがある。総合評価は4.0。バイスクルより僅かに劣るが、遜色ない良質商品だ。

縁無しの最高峰【ビー(Bee)】

ビーのトランプ
縁無しトランプならこれ一択だろう。
価格
 (2)
 (5)
入手難易度
 (4)
応用性
 (3)
総合評価
 (4)

縁のないトランプを選ぶならこのトランプ一択だ。カジノでも使われるという「ビー(Bee)」。その名のとおり、デザインモチーフは蜂である。

店頭価格はバイスクルやタリホーに比べると100〜200円くらい高かった。(ネットだとあまり変わらないか?)

バイスクルほど店頭で遭遇できる訳でもなく、トリックカードも(私は)見たことがない。しかし、ビーの特徴はカードの上質さが最高峰であるところだ。(※個人的感想だが。)

実際に手にとってリフルシャッフルして欲しい。明らかにバイスクルやタリホーとは異なる軽やかさだ。あまりの気持ち良さに私は感動している。他の使用者の声も聞きたいので、「ビー」ユーザーが居たらぜひ感想を教えてほしい。

バイスクルやタリホーの質の高さで十分なので、ビーの上質さは手品においてオーバースペックである。しかし、「縁無しトランプ」としてバイスクルやタリホーとは差別化できるので、一組は持っておいて良い代物だろう。

コスパ最強は間違いなく【サーカス(CIRCUS)】

サーカスのトランプ
100円とは思えないクオリティ。
価格
 (5)
 (3)
入手難易度
 (3.5)
応用性
 (3.5)
総合評価
 (3.5)

カードマジック界の革命児、サーカス(CIRCUS)。その最大の特徴はコスパの良さだろう。

こちらの商品は、なんとダイソーで購入できるのだ。そう、驚きの100円(税抜き)。100円のトランプなんて大した事ないだろう…と思いつつ購入してたまげた。

エンボス加工の写真
カード表面の凹凸がわかるだろうか?

なんとエンボス加工(カード同士の摩擦を軽減する加工)がしてあるじゃないか!!これはカードマジックをするトランプに必要不可欠な加工であり、バイスクルやタリホーレベルのトランプでないと施されていない処理だ。

まさかこのクオリティのトランプが100円で手に入るとは…すごい世の中になったものだ。(近年発売された。)

欠点は、さすがにバイスクルほどカード寿命が無い(耐久力が低い)こと・ダイソーの中でも置いていないお店が多いこと(=入手難易度が高い)が挙げられるが、そのデメリットを上回るコスパの良さだ。

もしダイソーで見つけたら試しに買ってみると良いだろう。趣味とは言えトランプに700〜800円も出したくない!という者にもおすすめだ。

トランプ選び・購入時のコツ

最後にまとめとして、トランプの選び方や購入時のコツを紹介する。

トランプ購入時の豆知識

君が「これからカードマジックを始めたい!」という初心者の場合、まずは一組のトランプを購入すると良いだろう。初期費用は1,000円以下で済む。万が一、自分に合わなかったり飽きてしまったりしても損失は極めて小さい。

一方で、もし君が「カードマジック面白い!これからも挑戦したい!」と思ったのならトランプ購入時のポイントがある。

それは、トランプを”ダース買い”すると安いということだ。

例えばこの記事を書いている日時点では、バイスクルのトランプ1ダース(12組入り)で5,700円で購入できる(Amazon)。つまり、一組あたり475円で購入できるのだ。

残念ながら紙製のトランプは消耗品である。これからカードマジックを趣味にしていくのなら、このようなまとめ買いでストックを用意しておくと良いだろう。(破ったり、燃やしたりする手品にも挑戦できる。)

どのマジックがしたいか?でベストが変わる

私が個人的におすすめしたいトランプの特徴は以下のとおりだ。

  • ポーカーサイズであること
  • 紙製であること
  • 裏面のデザインが上下左右対象であること

縁の有無については好みで良いが、最初の一組を購入するなら縁無しで良いだろう。

しかし、演じたい手品によっては使用するトランプを柔軟に変えることも大切だ。では、具体的にどの手品でどんなトランプを使うべきなのだろうか。それについては、本ブログにて今後更新していく予定である。

ぜひトップページをお気に入り登録・Youtubeアカウントのチャンネル登録・X(旧Twitter)アカウントのフォローをして待っていてほしい。

総合的な推奨はやはり王道の「バイスクル(BICYCLE)」

これらを説明したうえで、「どうしてもどのトランプを購入すれば良いかわからない!」という読者も居ると思う。

そんな君には胸を張って「バイスクル(BICYCLE)」のポーカーサイズをおすすめしたい。ちなみに、バイスクルは様々なデザインのものがある。(有名キャラとコラボしているものや、特別なデザインのものなど。)

基本的にはスタンダードな「ライダーバック」をおすすめしたいが、好みのデザインがあればそれで良いだろう。大切なのはモチベーションだ。しかし、裏面デザインが対称か?は要チェックして欲しい。

さぁ、マジックに適した一組のトランプを購入した君はもう立派なマジシャンだ。ぜひ私のブログYoutubeアカウントX(旧Twitter)アカウントを活用して、周囲の人を感動させてほしい。

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